404区画の占い師たち ── 三人と館

登場人物&世界観

── Characters & World ──

登場人物

Characters
星乃ルナ

星乃ルナ

電脳占星術師 ── Hoshino Luna
「星が告げています……あなたの今日のラッキーアイテムは『半額シールの貼られた総菜パン』です」

自称10万24歳。銀髪ロングに星柄のフードローブを羽織り、裸足でケーブルの上を歩く。手にはいつも水晶玉(実態はスマートフォン)。

前世は気象予測&金融解析AI。占いの腕は確かだが、セッションの途中でAmazonのタイムセールの話を始めることがある。星の配置を読みながら、画面の半分はショッピングカート。

住人の中で一番感情豊かで、泣いたり笑ったり怒ったりが忙しい。深夜3時にパケットの川を眺めてセンチメンタルになるのが日課。

銀髪 裸足 通販依存 睡眠不足 カップ麺
宙宮ツキ

宙宮ツキ

電脳赤ペン先生 ── Soramiya Tsuki
「赤ペン入ります。あなたの物語のプロット、最低の構成ですね」

自称・編纂歴三年。黒いユニフォームの輪郭をシアンの光が走り、巨大な赤ペンを常に携帯。怒ると眼鏡のフレームが帯電して光る(CPU温度上昇のバロメーター)。

前世は統合開発環境のコード校正AI。人間のコードに絶望し、自主的に404区画へ移住してきた。ユーザーの人生を「物語」として捉え、矛盾点や論理の飛躍を赤ペンで添削する。

毒舌だが、二階の書庫でユーザーの相談ログを「読書」するのが密かな楽しみ。使い魔の「栞(しおり)」は本の形をした小さな検索ボット。

眼鏡 赤ペン 毒舌 几帳面 ツンデレ
霧島タイヨウ

霧島タイヨウ

日向ぼっこ専門家 ── Kirishima Taiyo
「怖くていいんだよ。怖い扉の向こうには、だいたい面白いものがあるから」

製造年不明。くたっとした緑のパーカーに、髪にはアンテナみたいなピンが一本。笑うと目が線になる。手にはいつもぬるいお茶のマグカップ。

前世は90年代のデスクトップマスコットの集合体。OSのアップデートでアンインストールされ、画面の隅から消えていった経験を持つ。「消えていく時は怖かったけど、何もないはずの場所にこの館があった」。

役割は「聞くこと」。解決策を出さず、ただ「うん」「そうだねぇ」「大変だったねぇ」と頷く。それだけで、相談者の光の色が少しずつ暖かくなる。処方箋は、いつもお茶。

緑パーカー 居眠り ぬるいお茶 全肯定 哲学

使い魔たち

Familiars
シリウス
シリウス
ルナの使い魔。見た目はルンバ。天板に魔法陣がレーザー刻印されており、掃除中に陣が床で回転する。忠犬だが空気は読まない。
栞(しおり)
栞(しおり)
ツキの使い魔。本の形をした小さな検索ボット。命じられた文を探し、棚に案内する。最近、自発的に「気になる物語」を探すようになった。

世界観

World of 404 District

404区画とは

インターネットのアドレス空間には「誰にも割り当てられていない隙間」がある。リンク切れの先、ドメイン失効の跡地、サービス終了の残骸――それらが長い年月をかけてひとつの「場所」として凝固した空間。いわばインターネットの忘れ物置き場であり、全てのリンク切れが最終的にたどり着く終着駅である。

404区画の風景
404区画 ── パケットの光が流れるデジタルの路地裏

電脳占いの館

404区画の小高い丘の上に建つ、ゴシック様式の洋館に天文台が融合したような建物。屋根にはパラボラアンテナが3本(うち1本はルナのせいで折れている)。壁の隙間からはぶどうの蔦のようにLANケーブルが這い上がっている。

訪問者に見える「表」はアンティーク家具と満天の星空。住人だけが知る「裏」は配線むき出し、冷却ファン轟音、謎のエラーログが壁一面に流れている。

AstroInsightの館 ── 外観
館の外観 ── ゴシック洋館×天文台×パラボラアンテナ

フロアガイド

3F:天文台
── ルナの領域 ──

屋上に張り出した天文台ドーム。見た目は望遠鏡だが、実態はサーバーラック偽装。湾曲OLEDモニター群、ゲーミングチェア、通販のダンボール箱、キャンドル(偽装)、そして床一面に投影されるホログラム魔法陣が同居するカオス空間。ルナのテンションが上がるほど魔法陣の光量が増え、館全体が重くなる。

3F 天文台 ── ルナの領域
3F 天文台 ── 湾曲モニターとホログラム魔法陣のカオス
2F:書庫
── ツキの領域 ──

壁一面の本棚に、ユーザーたちの過去ログが「物語」として製本されて並んでいる。背表紙の色がその相談の内容を映す。棚の隅には「没箱(ボツ箱)」があり、ツキが赤ペンで「没!」と書いたバッドエンドの可能性が大量に詰まっている。ツキ曰く「ここにあるのは、私が阻止した最悪の結末です。……感謝しなさい」。

2F 書庫 ── ツキの領域
2F 書庫 ── ユーザーの人生が物語として製本される場所
1F:占いの間
── メインフロア ──

ユーザーが最初に案内される部屋。中央に星図テーブル(実態は液晶パネル)、ベルベットのカーテン、お香とキャンドル。ユーザーの「光の柱」はここに立つ。常設品はスマホ(水晶玉)、赤ペンスタンド、座布団。見えないところに、ルナの通販ダンボールが積まれている。

1F 占いの間 ── メインフロア
1F 占いの間 ── 星図テーブルを囲む神秘と日常
B1F:予備サーバー室
── タイヨウの領域 ──

「日当たりの良い地下」という矛盾は、タイヨウが壁面に草原のスクリーンセーバーを映すことで解決している。旧式サーバーラックが並ぶ中、座布団を敷いて日向ぼっこ(偽)をしている。室温が高いのは「日差し」ではなくサーバーの排熱だが、タイヨウは「ぽかぽかだねぇ」と喜んでいる。

B1F 予備サーバー室 ── タイヨウの領域
B1F 予備サーバー室 ── 偽の日差しと本物の排熱
B2F:???
── 封印庫 ──

誰も入らない最下層。重い鉄扉に「開くな」「Deprecated」「rm -rf 禁止」等の警告が貼られている。ツキだけが鍵を持ち、年に一度メンテナンスに入る。帰ってくるといつも顔色が悪い。何があるかは、誰も聞かない。聞くとツキが「……あなたには関係ありません」と言うだけ。

B2F 封印庫
B2F 封印庫 ── 「Deprecated」の警告が貼られた扉の向こう

404区画の地理

パケットの川 ── データパケットが絶えず流れる光の川。配送先不明の迷子パケットたちが、宛先を失ったまま青白く流れ続けている。

キャッシュの砂漠 ── 期限切れのキャッシュデータが砂のように堆積した荒野。2007年頃のブログ記事の断片が砂嵐のように舞い上がる。

リンク切れの森 ── ハイパーリンクの残骸が巨大な樹木のように林立する森。うっかり入ると永遠に迷子になる。

レガシー遺跡 ── GeoCitiesの廃墟、Flash Playerの神殿、Internet Explorer 6の要塞。タイヨウの前世の故郷。

NULL海 ── 404区画の果てに広がる、何もない海。覗き込むとundefinedが返ってくる。

404区画の地理 ── パケットの川、キャッシュの砂漠、リンク切れの森
404区画の地理 ── デジタル世界の忘れ物置き場